ますます楽しみになってきました利休会記を読み解く会、9月8日の講義では
「不時の会には、いかにも秘蔵の道具など、一色も二色も出し、所作、真によくし。心は草がよし。口伝」
不時の茶事、不意にお客様が訪れた時の茶事では、残っているものをお出しするのではなく、とっておきの道具を用意したり、お軸をかけ直したり、花を生け替えたり、と何かしら調える新しくもてなす心が大事。
茶人の秘伝「所作を真に 心は草に」また「所作は草に、心を真にすることもある」の言葉が心に...。
また、台子の展開のところでは、茶の湯における陰陽五行の理、五陽六陰、十一の曲尺割(かねわり)に基づいた道具類の配置について学びました。釜は水で陰、風炉は火で陽、両方で和合、木火土金水の地球の営みが全てに入っている。道具の数を陽である奇数にしていくことで生命の刷新、次の生命に繋げる、なのでいい加減に道具を置いてはいけない等、壮大な宇宙の営みが点前座に反映されていることに感銘を受けました。
料理再現は、秀吉の家臣達を招いての旧暦7月16日の会記から
汁はさくさく 雲雀ののっぺい なます 和え物 炒り萱 栗茶巾
汁は青菜と湯葉(ほうれん草) 雲雀のかわりに鶏肉ののっぺい 季節の果物でのみぞれなます
和え物はサツマイモと穴子を卯の花で和え、生落花生、栗を濾したものと和三盆で栗茶巾
ご参加の皆様と共に和気あいあいと、手際よく仕上げた献立は、いつもながら素朴で滋味があり、心潤うお膳となりました。
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